本文を読む(第19章)
立会いの当日は、
金額まで決めない。
立会いの当日は、傷や汚れがあるか、その場所と状態を、借主と一緒に確かめて記録します。費用の負担は、後日、資料をそろえてから話し合います。本文では、分けて進める理由と、その場で使える言い方・避ける言い方まで示しています。
収録本文をそのまま抜粋分ける理由は、当日その場で金額まで決めようとすると、「傷があるか」と「誰がいくら払うか」の話が混ざり、まとまらなくなるからです。事実確認書に双方が署名すれば、その時点で双方が確認した傷の有無・場所・状態を示す資料になり、後で争う点を絞れます。
ただし、署名があっても、傷の原因、借主の責任か、有効な特約があるか、どこまで直すか、いくらか、は後から争われることがあります。第2段階では、入居時の記録、原因、負担区分、経過年数、見積明細を示して、費用の負担を改めて話し合います。
【立会いやその後の連絡での言い方(文例)】
借主「敷金は全額返してください」→「本日は、傷や汚れの場所を一緒に確認させてください。費用は、見積りと入居年数を踏まえて計算し、○月○日頃までに書面でお示しします。負担の有無は、その書面をご覧になってからご検討ください。」
避ける言い方:「全部そちらの負担です」(根拠を示す前の断定)、「敷金は返せません」(返還義務を否定する誤った説明)、「今日サインしないと鍵を受け取れません」(鍵の受取りと費用の承認を結び付ける)、「全額お返しします」(見積り前の約束)。
出典:第19章「退去立会いの二段階確認――事実と金額を分ける」。本文と文例をそのまま抜粋(文例は一部)。